「こどもたちの“サード・プレイス”として」

 現在、少子化は、私たちの予想を遥かに上回るスピードで進んでいます。その中で、明るく活力に満ちた社会を維持していくために、子どもを健やかに育てていく環境を整備することが、一層切実に求められています。
 また、一方で、国際化や情報化など、子どもを取り巻く環境は著しく、かつ急激に変化しています。
 そのため、子どもたちの“サード・プレイス”としての児童館の役割は、今日、ますます重要となっているといえるでしょう。
 兵庫県立こどもの館は、平成元年に、全県的な児童健全育成の中核的拠点として、山の緑と湖水の美しい姫路市の桜山の地に全国に先駆けて設置されました。
 以来、当館では、豊かな自然の中で、遊び・演劇・工作・読書等の創作活動の展開を通じて子どもたちにうるおいと安らぎのある場所を提供し続けてきました。
 いま、当館では、「遊びの発見」、「遊びの創造」をテーマに、季節を感じられるしつらえを行うとともに、様々な遊びと運動を家族で体験する場所の提供等により、遊びを通して子どもたちの「生きる力」、「豊かな感性」、「たくましい身体と心」を育むことを目的に事業展開しています。
 これからも、子どもたちにとって魅力ある“サード・プレイス”となるよう、機能の充実を図ってまいりますので、ぜひ当館にお越しください。



こどもの館について
 こどもの館は、子どもたちが、あそびや表現活動、図書、工作などを通して、多くの人とふれあい、豊かな個性や温かい心を育むお手伝いをしています。また、保護者や子育てを応援する人たちをネットワークでつなぎ、相談や学び、研修する機会と場を提供しています。
 また、大型児童館として、児童館本来の機能である子どもたちが、家族や団体で訪れて、遊んだり、表現活動をしたり、図書活動や工作活動をしたりすることを通して多くの人びととふれあい、学び、楽しむことができる機会と場を提供してきました。
  そして、県立こどもの館は、県内の児童館の中核施設として、子どもたちの健やかな育成に携わる機関や団体の中核拠点として、児童虐待の急増や、その背景としての子育ての不安の広がりといった状況をふまえ、保護者や指導者が、相談や学習、研究活動を行う機会と場を提供し、次代を担うこころ豊かな子どもたちの健全育成をめざします。
建物について
当館の建物の設計は、世界的建築家の安藤忠雄氏によるものです。
建物の西側に大きな湖があることから、本館東側に人工の小川と、北と西側には人工池を配し、本館が水に浮いたようなイメージを醸し出す工夫がされており、さらに、周辺の山の緑や水を借景とした建物となっているのが、大きな特徴となっています。
なお、この建物は、平成3年に優れた建築に贈られる「建築業協会賞」を受賞しています。
彫刻について
こどもの館には、開館30周年記念「児童彫刻アイデアコンクール」において選ばれた世界のこどもたち22人の作品が、彫刻家 新宮晋氏の手により彫刻として展示されています。